《好き≠恋(日文版)》

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好き≠恋(日文版)- 第15部分


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なものに全く興味が無い健人は、皿に肉じゃがを取り食べ始める。作ったのは久しぶりだったが、味は悪くなかった。昔に培った料理の腕は、落ちていない。
「健人の作る肉じゃがは、ちゃんとした味がするんだね?」
「……は?」
 急に話しかけられ、何を言っているのか分からなかった健人は歩を見る。
「景子さんが作る肉じゃがは何かが足りないんでしょう? それが分かるってことは、健人はちゃんとした肉じゃがが作れるってことだよね」
 そう言われてから、この肉じゃがはちゃんとした味なのだろうかと考え込んだ。健人もレシピを見ながら肉じゃがを作ったりしていたが、それがちゃんとした正規の肉じゃがなのかどうかは分からない。考え込んでいる間に、歩は肉じゃがを口にしていたようでもぐもぐと口を動かしていた。
 どんなことを言われるのか、少しだけ緊張した。喉が動いて、飲みこんだのが分かった。
「ん、どっちが本物の肉じゃがか分からないけど、健人のが美味いと思うよ。俺は」
 素直に褒められ、健人は反応が出来なかった。目を逸らして、健人は肉じゃがを口の中に突っ込む。ジャガイモはよく味をしみ込ませていて、甘みの後に醤油のしょっぱい味が広がる。何度か咀嚼してから飲みこんで、母の肉じゃがに何が足りないのかが分かった。
「あぁ、眨读先毪欷腠樂㈤g摺à皮毪螭馈
 独り言のように呟くと、歩が「え?」と健人に聞き返す。
「母さん、多分、醤油から入れてるんだよ。塩分を先に入れると、食材が糖分をあまりしみ込ませないんだ。普通、煮ものとか作る時、酒、みりん、砂糖を入れてから醤油を入れるんだけど、母さんのことだから醤油から入れてるんだろ。だから、母さんの肉じゃがはしょっぱい」
「……なるほど。確かに景子さんが作る肉じゃがはしょっぱいね。肉じゃがってそんな味なのかと思ってた」
 健人の言ったことに迹盲筏繗iは、もう一度、皿に仱盲骏弗悭ぅ猡蝮绀寝猡呖冥丐冗ぶ。その味に満足したのか、歩は食べながら何度も「美味い美味い」と言って箸を進めている。しかし、褒めてもらったことや、迹盲筏郡长趣瑜辘狻iの言った一言に、健人は疑問を抱いた。
「お前、あんまり肉じゃが食べたことないの?」
 代表的な家庭料理だと言うのに、しょっぱい肉じゃがが肉じゃがだと思っているというのは、どういうことなのか健人には分からなかった。疑問に思ったまま尋ねてみると、歩の顔から笑みが消えた。
「……食べたことぐらいはあるよ」
 素気ない返事に、健人は焦りにも似た感情を覚える。聞いてはいけないことを聞いてしまったんだろう。でも、歩のことを全然知らない状態で、どこが地雷なのかも健人には分からない。動揺しているのを隠すように、健人はお椀を手に取った。
 しゃきしゃきとした歯ごたえが好きなもやしを食べていても、気分は落ちて行く一方だった。
 いつの間にか、歩の機嫌も直っていて、変に気を使うのが馬鹿馬鹿しくなっていた。こんなにも気分屋だったのかと、昼食を作りながら健人は歩のことを思い出す。気分屋かどうか知る前に、健人は前々から歩をしっかり見ていなかった。だからこそ、気分屋かどうかなんて気づかなかったのだ。それに、5月の中旬に言われた「大嫌い」と言う言葉が、最近よく頭の中によぎる。嫌いと言ったら、大嫌いと言い返された。嫌いだと言ったのに、こうして昼食を作ってやってることも可笑しく感じるし、健人に「カレ鳏盲皮琛工趣姢い工搿iも可笑しく思った。
 しかし、リクエスト通り、作ってしまう。カレ郅悉盲郡椤H猡袱悚蜃鳏盲渴巢膜尾肖辘ⅳ盲郡椤W苑肿陨恧司槐窝预ぴUをしながら、健人は鍋をかき混ぜていた。
「夏って言えば、カレ坤瑜汀
 匂いが漂ってきたのか、リビングから歩が声をかけてくる。その声に気づいていたが、健人はあえて返事をしなかった。返事をするほどのことでもないし、いちいち、声を発するのも少し面倒だった。
「あと、どれぐらいで出来そう? 俺、皿とか出すよ」
「15分ぐらい」
 健人はそこで鍋の火を止めて少しだけ時間を置く。冷蔵庫の中から野菜を取り出して、ツナの缶詰を開ける。小さいボ肷悉蚊螭衰欹骏埂⑤喦肖辘筏骏濂Ε辍⒂亭蚯肖盲骏磨胜騺せてカウンタ酥盲い俊
 それからもう一度、鍋に火をかけ、ぐつぐつと音を立てたところで火を止め、ご飯のよそってある皿にカレ蛄鳏忿zんだ。簡単な昼食であるが、健人は出来るだけ手を抜かなかった。作ろうと思えば15分ほどで完成してしまうけれど、野菜と肉はしっかりと炒めたし、隠し味を入れたりなど味にもこだわった。カレ筏mまれていないが、栄養分も考えてサラダも絶対に出す。手の込んだことをしてしまうと張り切っているようで腹が立つが、根付いてしまった癖は抜けず、手を抜けないのが現状だった。
「ガンガンにク椹‘かけた中でカレ长伽毪蚊牢钉筏い瑜汀
「コタツでアイスと同じだな」
 健人が素っ気無く言うと「コタツにアイスも美味しいよね」と笑う。どうして、こんなに態度が変わったのか健人は理解できなかった。歩と喋れば喋るほど、疑問が沸いてしまい、頭の中でめまぐるしくなるぐらい考え込んでしまう。結局のところ、分からずに考えるのをやめてしまうのだから、最初から考えなければ良いと思うのに、そう思えば思うほど、頭の中ではずっと考え続けてしまうのだった。
「俺、出かけるけど。健人は出かける予定とかあるの?」
「ない」
 健人がはっきり答えると歩は驚いたように目を見開き「無いの!?」と大声を出した。歩のように友達が多いわけでもなく、誰かと撸Г螭坤辘工毪韦厦娴工馈¥郡嵯⒔护袱辘藲iを見ると、歩は皿の中でスプ螭颏挨毪挨毪趣欷激啤浮饯盲 工葏郅い俊
「そう言えば、ジンが泊まりに行っても良いって聞いてたんだけど、良い?」
「好きにすれば」
 またもや素気なく答え、健人はカレ蚩冥酥肖巳毪欷搿J长伽皮い腴gは会話をしなくて済むだろうと思い、懸命にスプ螭蚩冥丐冗ぶ。ジンを連れてこようがこまいが、それは歩の勝手だ。いちいち、健人に了承なんて取らなくても良い。それでも、ジンが来てしまうことで何かが崩れそうで怖かった。かと言って、来るなとも言えずに、健人はジレンマに苛まれる。この状況を打破したいのか、それとも継続させたいのか、自分の気持ちが良く分からなかった。
「じゃぁ、明日からおいでって言っとくわ。多分、ジンとだったら仲良くできると思うんだよね。喋ってると楽しいし。ほら、健人と同じ特待生じゃん?」
「別に特待生同士だからって仲良くできるわけでもないだろ」
「そうかもしれないけどさ。ほんと、良い奴なんだって」
 力説する歩を横目で見て、健人はそれ以上、何も言わなかった。仲良くできるかどうかなんて、現時点では分からないことだ。いくら、歩と仲が良いと言っても健人と出来るかどうかは、まだ不明だ。それに、特待生同士だからと言って仲良くするようなものでもない。これ以上、歩の話を聞いていられなくなり、健人は立ち上がった。
「ごちそうさま」
「……はやっ! あ、そうだ。夜までには帰ってくるから、夕飯、作っておいてよ」
 その言葉に健人の動きが止まった。夕食を作っておいてくれと頼まれても、冷蔵庫の中はすでに空で、何かを作るなら買い物へいかなければいけない。こんな暑い中、外へ出たくない健人は少しだけ嫌そうな顔をした。
「昨日は肉じゃがだったし、昼飯はカレ坤盲郡椤⒅腥Aが食べたいな
「……はぁ?」
 リクエストされたものがとても面倒なものだったため、健人はつい、嫌そうな声を上げてしまった。それでも歩はめげずに「中華だったら、酢豚かなぁ。あ、でもピ蕙笙婴い坤椁胜 工榷坤暄预韦瑜Δ藚郅い啤ⅳΔ螭Δ螭葠槫螭扦い俊W鳏盲皮い皮阮mまれ、料理をリクエストしてくれるのは作る側としてはとても嬉しいことだが、なんだか作って待っていることが主婦みたいで嫌だなと思った。
「麻婆豆腐が良いな!」
 スプ螭蚪∪摔送护钉堡拼笊茄预iに、健人はため息交じりに答えた。
「……分かったよ」
 どんなに嫌そうな顔をしていても、歩が笑顔でそう言うので健人は仕方なく了承した。料理をすることは嫌いではないし、こうして、食べたいものを言ってくれる方が作るもの簡単だからと自分に言い聞かせる。そうでないと、何もかもが上手くいかない気がした。
 いつの間にか、嫌いと言う感情はどこかへ消えてしまった。
 その代わり生まれたのは、疑問だった。歩は自分のことを嫌いなはずなのに、どうして笑顔で話しかけてくることが出来るんだろうか。また、嫌いだと言って見放すときが来るのだろうか。そう考えてしまうと、急に体温が落ちて行くのを感じる。手のひらは、またたく間に冷たくなる。
「じゃ、俺、出かけてくるから。そうだな7時か8時には帰ってこれると思う。遅くなるようだったら、連絡するから」
「……別にしなくていい」
 呟くように言うと、歩は笑って「するから」と言ってリビングから出て行った。いきなり優しくされても、何か裏があるのではないかと疑ってしまって、歩のことを信じきれなかった。変わったのは、停電が起きた昨日から。歩も変わっているけれど、健人自身も変わりつつあった。前ならば、要らないと言われれば絶対に作らなかっただろう。どれほど頼まれても要らないと言ったんだからと言って、一刀両断していたはずだ。それなのに、リクエスト通りご飯を作っているのが信じられなかった。
「……俺、どうなってるんだよ」
 感情をこめて吐きだしても、答えなど見つからなかった。それに、見つける気もあまり無かった。本当のことを知るのが、少し怖かった。
 7時か8時ぐらいになったら帰ってくると言っていた歩だったが、そろそろ9時になろうとしているのに家には帰ってこなかった。学校へ行っている時から、結構遅くなることもたびたびあり、母が一度怒っているのを目にしたことがあった。連絡の1本ぐらい入れてねと言った母に対して、歩は笑顔で「分かった」と言ったが、遅くなるとき連絡を入れることは無かった。所詮、口だけなのだと言い聞かせて、健人はテレビの電源を入れた。
 フライパンの中には、麻婆豆腐が入っているし、冷蔵庫の中には春雨サラダが置いてある。中華ス驻庾鳏盲皮ⅳ盲啤ⅳⅳ趣蠚iが帰ってくるだけの状態になっている。一人で食べようかと思ったが、片づけをするのは健人なので、帰ってくるまで待つことを決めた。それから、すでに2時間は経っている。帰ってこないなと、玄関へ続く扉を見つめては、何故、帰りを待っているんだと自分を諌め、わざとらしくテレビに目線を向けた。
 昼食以降、何も口にしていないせいか、先ほどからぐるぐると腹が鳴っている。さっさと食べてしまった方が良いのではと思うが、体を動かすのも面倒になりソファ似兢欷盲皮い俊W蛉栅悉ⅳ蓼昝撙欷骸⒃绀郡櫎幛皮筏蓼盲郡护いⅳ长螭试绀r間から眠気が襲ってきていた。テレビは大して面白いのもやっていない。うとうとと瞼が重たくなってきて、頭を振って目を覚まそうとするが、眠気の方が勝っているせいかドンドンと視界が狭くなっていく。
 気付いた時には、眠ってしまっていた。

 家の前で携帯を開いてから、約束の時間が大幅に過ぎていることに気付いた。きっと、健人のことだから、言った時間に帰ってこなくても、知らん顔をしているような気がして歩はそっと扉を開けた。
 出来るだけ約束は守りたかったが、花火をしていたら帰ることを忘れて夢中になってしまった。リビングに電気が付いているのを見て、歩は静かに家へと入る。足音を立てない様、忍び足で廊下を歩き、リビングの扉を開けるとソファ墙∪摔匹欹婴蛞姢皮い俊
「た……」
 ただいまと言おうとした声を、歩は必死に抑えた。右手で口を押さえて、肩が上下に動いている健人にそっと近づく。上から覗き込むように健人の顔を見ると、瞼は椋Г袱椁欷皮い啤ⅳ工浃工浃惹尴ⅳ蛄ⅳ皮皮い俊A激激激à皮撙毪取⒔∪摔铣绀橄村胜嗓颏筏皮い郡瑜Δ蕷荬工搿¥饯欷思窑沃肖螔叱坤盲啤⑽缜爸肖椁浃盲皮い俊¥饯纹¥欷郡蓼盲皮筏蓼盲郡韦坤恧Δ人激ぁ⑵黏长丹胜い瑜Δ饯盲入xれた。
 水を飲もうと思って、冷蔵庫を開ける。冷蔵庫の中段に置かれた春雨サラダが目に入り、中華を作ってくれと頼んだことを思い出した。振り返ってコンロを見ると、フライパンの中にはリクエスト通り麻婆豆腐が作られている。食べた形跡も無く、ぽつんと置かれている麻婆
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